(3)H10測線およびH7測線1

H10測線は、CDP390地点でH14−A測線のCDP440地点と交差している。H10測線の解釈は、H14−A測線と同様にこの交点で反射イベントを同定し、追跡した。解釈結果を図4−1−5に示す。

また図4−1−5には、H7測線1の解釈結果と、サンピア仙台Brおよび仙台Brの柱状図も併記している。H10測線の反射断面図中の数字は、既述した反射断面と同様、P波の区間速度を示している。

H10測線の解釈結果では、全体的に東に向かって各反射面は浅くなる傾向を示している。しかし、測線の両端を除き、高館層+槻木層に相当する高館層トップ〜基盤岩トップ間が厚くなっているのが特徴的である。また、測線東端の基盤深度は約200mであるが、ここから南方約800mに位置する仙台Brでは248mとなっている。しかし、H14−A測線の解釈結果に記したように、基盤は北に向かって浅くなる傾向にあることを考慮すると妥当な値であると判断できる。その他、第四系ベース、高館層トップの測線両端の深度や基盤岩トップの測線西端での深度は、サンピア仙台Brや仙台Brの柱状図と概ね調和的である。

H7測線1の解釈は、他の測線から独立しているため、基本的には池田ほか(2002)の解釈に従っている。解釈を変更したところは、測線中央部の東上がりの逆断層(大年寺山断層)東側の撓曲部において、綱木層ベースを池田ほか(2002)の解釈より一つ下位の反射イベントとした点である。これは、愛宕橋Brの柱状図から解釈したH15−B測線における仙台層群ベースや高館層トップの宮城野撓曲による変位量と反射イベントの連続性を考慮して変更したものである。