また、既往の地震探査測線については、平成14年度に本調査で実施した地震探査測線(以下、「H14−A測線」という)について再検討し、屈折法地震探査の再解析を行った。さらに、平成10年高感度地震観測井に関する反射法地震探査測線(以下、「H10測線」という,笠原ほか(2003))のデータを新たに入手した。
深層ボーリングについては、昨年度に収集した独立行政法人防災科学研究所の基盤強震観測網(Hi−net)の観測井「仙台MYGH01」(以下、「仙台Br」という)、ウエルサンピア仙台のボーリング(以下、「サンピア仙台Br」という)、新愛宕橋右岸のボーリング(以下、「愛宕橋Br」という)に加え、ホテルモントレ仙台で実施されたボーリング(以下、「モントレBr」という)データを入手した。愛宕橋BrとモントレBrについては、スライムを入手し柱状図の検討を行った。
既往重力データについては、地質調査所発行(1991)の1:200,000の重力図「山形地域重力図(ブーゲー異常図)」を250mの格子状にデジタイズして解析を行った。
総合解析では、まず、H15−B測線と愛宕橋Brから反射面を同定した後、これと一部重複・交差するSK87−1測線、H14−A測線、H10測線および平成7年度に実施された長町−利府断層帯調査の測線1(以下、「H7測線1」という)の順で反射断面を追跡し、第四系ベース、仙台層群ベース、綱木層ベース、高館層トップおよび基盤岩トップの解釈を行った。次に、H15−B測線およびH14−A測線での屈折法地震探査結果、仙台Brとサンピア仙台Brのボーリングデータおよび重力の解析結果等を総合的に解析し、各調査結果の妥当性を確認した。