・得られたS波速度構造と、平成15年度および平成16年度に実施した反射法地震探査の結果とを比較すると、基盤上面深度は両反射法測線およびその近傍においては、反射法による結果と矛盾がなく、また、それ以外の地域についても、残差重力と推定された基盤上面深度の相関は良い(図3−2−37)ことから、推定された基盤上面深度については概ね妥当であると考えられる。
・ 基盤上位の堆積層については、中新統相当層上面に相当する速度境界は明瞭に得られていない。これは、東海層群相当層中の速度比に比べ、東海層群相当層と中新統相当層の速度比が小さいことによる。また、S 波反射法測線(四日市市下海老町)と微動アレイNo.4(菰野町)、No.5(四日市市北山町)およびNo.6(四日市市茂福)を比較すると、反射法および微動アレイによって推定されたS波速度は、浅部では反射法の結果とよく一致しているが、深部では、微動アレイによる推定速度が、反射法の結果に比べ若干速く推定されている。