(4)伊勢平野の地震動評価に向けての課題
地下構造調査について、現状では、物理探査データの乏しい伊勢平野南部(津市、香良洲町、松阪市など)の三次元的な地下構造の精度向上が最重要である。また、地下構造モデルの高精度化にあたって、より高周波の地震動を評価するために、表層地盤(400m/s相当層より遅い層)の取り込みが必要になる。一方、強震動データの収集・整理が引き続き必要であり、地震動シミュレーションによる検証を積み重ね、地震観測結果をモデルの修正にフィードバックさせることで、実質的なモデルの構築を図る必要がある。当地域は、内陸直下型地震だけでなく、海溝型の東海地震、東南海・南海地震による影響が想定されており、紀伊半島沖のプレート境界で発生している中規模地震に対しても検証を行う必要がある。