この地震は、防災科学技術研究所(K−net、KiK−net)、三重県の強震観測網により多数の観測点で波形記録が得られている。伊勢平野を縦断するように南北に沿って、データの品質が比較的良好な計12点の強震観測点を選んで、これらの観測波形を中心に検証を行った。図3−4−1に使用した強震動観測点位置を示す。
モデルにより合成された波形・スペクトルの比較結果を、図3−4−21に示す。いずれも、観測結果が黒色、合成結果が青色で示されている。N−S、E−W、U−D成分を、フィルター後速度波形で比較しており、右端の数値(黒、青)は、観測および合成波形のピーク値(kine)を表す。図3−4−22−1、図3−4−22−2、図3−4−22−3は合成波形と観測波形との比較を、計算領域内の44観測点で行ったものである。図3−4−23−1、図3−4−23−2、図3−4−23−3はフーリエスペクトルの比較を示す。振幅スペクトルは、S波主要動からの60秒間で計算され、移動平均によるスペクトル平滑化を行っていない。図3−4−24には合成された水平動スナップショット、図3−4−25には、合成された各成分最大速度値分布を示す。