砂礫質土:Vs=87.936×N0.3267 (3.2.1)
粘性土 :Vs=110.77×N0.3371 (3.2.2)
図中には、今回得られたデータを用いた近似曲線のほかに、今井ほか(1975)、道路橋示方書、鈴鹿市(鈴鹿市庁舎、白子小学校、長太小学校のデータを用いた)による以下のN値とVsの関係式を示した。
○今井式:Vs=89.8N0.341 (3.2.3)
(今井ほか、1975)
○道路橋示方書
砂質土:Vs=80×Ni(1/3) (1≦Ni≦50) (3.2.4)
粘性土:Vs=100×Ni(1/3) (1≦Ni≦25) (3.2.5)
(社団法人日本道路協会、2002)
○鈴鹿市
砂質土:Vs=78.34N0.363 (3.2.6)
粘性土:Vs=111.03N0.349 (3.2.7)
これらの結果と比較すると、砂質土、粘性土ともに、既存の回帰式とほぼ整合しており、回帰式(3.2.1)および(3.2.2)が概ね妥当であると考えられる。今回得られたデータからは、サンプル数が少ないため、Imai & Tonouchi(1982)などによる地質年代を併用した回帰式の細分化は行っていない。図3−2−26には、濃尾平野(ほとんどが名古屋市内のサンプル)との比較を示した。伊勢平野におけるN値とS波速度の近似式は、濃尾平野の結果とも概ね整合している。図3−2−27には、鈴鹿市の式および今回得られたデータから推定した回帰式を用いてN値(平均)から推定したS波速度と、PS検層によって得られたS波速度との関係を示した。換算式の違いによる差は顕著ではない。以上の結果から、N値(平均)からのS波速度の推定は(3.2.1)式および(3.2.2)式を用いることとする。一方、P波速度に関してはN値との相関は良くないが、地質年代による相関があり、各年代でP波の代表値(平均値)を用いれば十分である(図3−2−28)。