図3−2−20には位相速度逆解析のフローを示す。遺伝的アルゴリズム(GA)による解の探索範囲は、文献No.8を参考に表3−2−8のように設定した。
図3−2−21に、濃尾平野地下構造調査における微動アレー探査NP1地点と本調査No.3地点の解析結果(同一地点で測定)の比較図を示した。上図の桃色の丸(○)が、今回観測を行った観測位相速度、下図の桃色の線(−)が逆解析により求めたS波速度構造である。観測位相速度は、概ねよく対応していることがわかる。求められたS波速度構造に関しては、今回の観測結果の方が基盤深度について100m程深く推定されているが、両者はよく対応している。
この比較により解析法の妥当性が確認できたので、他の14地点においても同様の解析を行った。ただし、観測点毎に求められている最低位相速度が大きく異なるため、表層部部分のS波速度の探索範囲を微調整した。
表3−2−9にGAによる解の探索範囲を示す。No.6,8,14については、表3−2−8の探索範囲を適用した。図3−2−22−1、図3−2−22−2に逆解析結果を示す。No.15が最も基盤深度が浅く深度約360mであり、最も深い地点はNo.3の約1,830mである。基盤のS波速度に関しては、3.0km/sから3.8km/sの範囲で求まっている。
図3−2−17−1 観測波形およびパワースペクトル図(No.1〜No.8 LLアレー)
図3−2−17−2 観測波形およびパワースペクトル図(No.9〜No.15 LLアレー)
図3−2−17−3 観測波形およびパワースペクトル図(No.1〜No.8 Lアレー)
図3−2−17−4 観測波形およびパワースペクトル図(No.9〜No.15 Lアレー)
図3−2−17−5 観測波形およびパワースペクトル図(No.1〜No.8 Mアレー)
図3−2−17−6 観測波形およびパワースペクトル図(No.9〜No.15 Mアレー)
図3−2−17−7 観測波形およびパワースペクトル図(No.1〜No.8 Sアレー)
図3−2−17−8 観測波形およびパワースペクトル図(No.9〜No.15 Sアレー)
図3−2−18−1 空間自己相関関数および位相速度分散曲線(No.1〜No.4)
図3−2−18−2空間自己相関関数および位相速度分散曲線(No.5〜No.8)
図3−2−18−3空間自己相関関数および位相速度分散曲線(No.9〜No.12)
図3−2−18−4空間自己相関関数および位相速度分散曲線(No.13〜No.15)
図3−2−19 全観測点における位相速度分散曲線
図3−2−20 位相速度逆解析の流れ
表3−2−8 遺伝的アルゴリズムによる解の探索範囲(観測点No.6,8,14地点)
表3−2−9 遺伝的アルゴリズムによる解の探索範囲(観測点No.6,8,14以外の地点)