(2)位相速度推定結果

図3−2−17−1図3−2−17−2図3−2−17−3図3−2−17−4図3−2−17−5図3−2−17−6図3−2−17−7図3−2−17−8に各観測点における観測波形とパワースペクトルの例を示す。周波数1Hz以下の低周波数側のパワーについて着目すると、観測点により10〜20倍程度の差が見られる。この原因としては、地盤条件による脈動の増幅や気象条件(風の強さ、波浪の高さ)の違いなどが挙げられる。

図3−2−18−1図3−2−18−2図3−2−18−3図3−2−18−4に、観測点のアレー毎に求められた空間自己相関関数と位相速度分散曲線を示し、図3−2−19に全観測点で得られた位相速度分散曲線を示す。

各観測点ともに、異なるアレーにより求められた重複部の位相速度が、滑らかにつながって良く一致しており、各観測点において地下構造が水平構造を有しているとの仮定が成り立っていると考えられる。

図3−2−19より、高周波数領域の位相速度は観測点毎の違いが大きく、最大で約500m/s(No.1,9,12)であり、250m/s以下の速度が求められている地点(No.3,14)もある。低周波数領域の位相速度が遅いNo.3及びNo.8地点(位相速度2km/s)において、基盤深度が最も深くなっていると推定される。また、最も基盤深度が浅い観測点はNo.15であることが、位相速度の形状から分かる。