(式3−2−5−2)
(24)式を解くことによりレイリー波の位相速度を算出する。観測された位相速度を最もよく説明するモデルの推定には「遺伝的アルゴリズム(以下GAと称す)」と「最小二乗法」を用いた。
GAとは、生物の遺伝にヒントを得て(観測値と計算値の一致具合が良いものほど子孫を残すことが出来、一致具合の低いものは淘汰され、世代を重ねるにつれ観測値と計算値の一致具合が最も良い子孫(速度構造)のみが生み出される)作成された計算法である。GAにおいては、初期モデルの乱数を変えて10回の試行を行い、世帯数400、世代数40とした。つまり総計160,000個のモデルについて検討したことになる。試行毎に観測値に最も合致する10個の速度構造を求めた。
GAのみでは観測値と理論値の差の平均(以下、残差と称す)を小さくするには限界があるため、GAによって求めた10個の速度モデルについてさらに、非線形最小二乗法によりモデルを修正し、残差が最も小さいモデルを最終結果とした。GAにより短時間に大局的な最適モデルの探索が可能になり、非線形最小二乗法を併用することで効率的に最適モデルに修正できる。図3−2−15に逆解析の例を示す。
図3−2−15 逆解析例