(2)屈折法地震探査資料

平野中央部付近の深部構造を捉えている既存調査は、1件のみ確認された(文献No.14,15−1件の調査)。

菰野町湯の山から愛知県弥富町鍋田間において、大規模な屈折法探査が行われている。鍋田側の起振点のみによる観測、解析(片走時)のため、構造の検出精度はそれほど高くないと思われるが、平野部の基盤岩の速度と深度情報を捉えた数少ない物理探査資料である。P波の速度構造は、地表から1.9〜2.5km/s、3.0km/s、5.0km/s、5.8km/s、6.2km/sとなっており、本調査において基盤岩と考えている中古生層相当層の上面は、P波速度で5.0km/s層と推定される。PP波速度5.0km/s層の上面は、湯の山付近ではほぼ地表付近に露出しているが、弥富町鍋田では深度1,800m程度と想定される。

図3−1−2に、上記屈折法地震探査の結果を示す。

図3−1−2 菰野町湯の山〜愛知県弥富町鍋田間の屈折法地震探査結果

 (深部地下構造研究会(1981)「文献No.15」より抜粋)