深度80m以浅を除くと,推定値は観測値と良い対応を示している。また大阪平野の回帰式が,この地域では適用できないことも分かる。深度80m以浅については,速度検層値と密度検層値のいずれも常識的な値に比べて異常に大きく,ローカルな堆積環境の影響があるものと推定される。
以上,KD−0孔の検層結果を用いて広域の物性値の推定方法を検討した結果,この手法に大きな問題がないことが明らかになった。
図5−8 比較検討を行ったP波速度推定のための回帰式
図5−9 大阪平野全域のデータを用いたモデル−1の検討
図5−10 大阪平野の断層近傍データを用いたモデル−2の検討
図5−11 大阪平野の断層近傍データを用いたモデル−3の検討
図5−12 縦軸を log(深度(m)×堆積年代(万年))で表示したP波速度分布
図5−13 縦軸を log(深度(m)×堆積年代(万年))で表示した京都盆地のP波速度分布
図5−14 京都盆地における地盤モデルのブロック分割図
図5−15 ブロック3(宇治川より南部の京都盆地)において,モデル−3を(堆積年代×埋没深度)の値の大きさにより,異なる回帰式の係数を適用した結果(複合型)
図5−16 ブロック3(宇治川より南部の京都盆地)において,モデル−3を単純に適用した場合の観測速度と推定速度の対比
図5−17 ブロック3において,モデル−3を図5−14に示す複合型で適用した場合の観測速度と推定速度の対比
図5−19 ブロック−2におけるP波速度分布の地域特性
図5−20 ブロック−4(山科盆地)におけるP波速度分布の地域特性
図5−21 ブロック−8(西山地区)におけるP波速度分布の地域特性
図5−22 ブロック−6(東山地区)におけるP波速度の分布
図5−23 京都盆地全域の3次元P波速度モデルと反射法地震探査の速度解析結果によるP波速度分布の比較
表5−1 京都盆地全域の3次元P波速度モデルに用いた速度推定回帰式