まずモデル−1(Faustの式)は,図5−9に見られるようにあまり適当ではない。モデル−3はモデル−2に比べると係数の数が少なく,モデル−3が利用できれば実用性が高い。そこで図5−10、図5−11では累乗の係数(b,c)の比較が有意になるように,堆積年代および埋没深度の変化が大きい断層近傍のデータのみを集めて検討した。この結果,モデル−2(図5−10)では,bとcがほぼ同じオーダーとなり,またモデル−3(図5−11)のbとも近い値が得られ,P波速度推定の回帰式としてモデル−3を適用できることが明らかとなった。
図5−12に、縦軸を log(深度(m)×堆積年代(万年))で表示した大阪平野のP波速度分布を示す。この表示方法は、モデル−3の回帰式の適合性の検討する際に非常に便利である。京都盆地との比較のため、あえてここに示した。