珪藻は水域の水温,塩分濃度,酸性度などの環境要因に対応した種類が,各々の環境許容範囲の中で生息している。抽出された珪藻化石を分析することによって堆積物生成当時の水域の環境を復元することができ,淡水成層か海水成層かの判定も可能となる。
表2−4 珪藻化石分析試料一覧
@前処理
・約1gの試料を15%程度の過酸化水素水に浸し,試料が泥化するまで3〜4時間放置する。
・石灰質分を溶解させるために塩酸を少量加え,3〜4時間放置する。
・蒸留水を加えて3〜4時間放置し,沈殿物を流さないように上澄み液を捨てる。
・この操作を酸が抜けるまで,通常3〜4回繰り返す。
・蒸留水を加えて粗粒粒子が沈殿した後,ただちに駒込ピペットで沈殿した懸濁液を吸い取る。
・カバーグラス上に吸い取った懸濁液を適量移し,乾燥させる。
・封入剤(プルーラックス,マウントメディアなど)を使ってスライドグラスにカバーグラスを張り付ける。
A珪藻化石組成
プレパラートを生物顕微鏡(200倍)で観察し,珪藻化石の準定量的な産出頻度と海生種および淡水生種の量比を調べ,堆積環境の推定を行う。