本孔における大阪層群の層相は,粘土,砂,砂礫が互層状をなすが,全体的に砂や砂礫層が卓越する。しかし,深度460〜520mと612〜694mは粘土優勢の粘土砂互層であり,深度641〜691mの間はさらに粘土が卓越する。また,深度460m以深の粘土は固結がすすみ硬質となるが,所々ゆるい粘土をはさむ。
コアの肉眼観察により火山灰層と推測されたものの内,火山灰分析により以下に示す5枚の広域火山灰が同定できた。詳細は,火山灰分析の項に後述する。
深度 49.86〜 49.88m: 2cm厚
深度164.88〜164.92m: 4cm厚
深度295.30〜297.84m:2.54m厚
深度343.59〜343.60m: 1cm厚
深度667.80〜670.79m:2.99m厚
深度9〜50mと170〜200mの間において細粒土層の部分で連続試料を採取し,火山灰の洗い出し処理分析を行うことにより,以下に示す3枚の火山灰の降灰層準が検出された。詳細は,火山灰分析の項に後述する。
深度 13.00〜 13.10m:10cm
深度 24.75〜 24.80m: 5cm
深度172.80〜173.00m:20cm
粘土の色調には暗灰色と緑灰色の2種類が見られ,暗灰色を呈する粘土は海域に堆積した海成粘土といわれており,本孔のボーリングコアでは以下に示す5層が識別された。しかし,平成11年度と12年度にボーリング調査を行ったKD−1およびKD−2孔と比べると,本孔の海成と思われる粘土は,比較的明るい色調の灰〜暗灰を呈する。
深度101.82〜106.00m:4.18m厚
深度183.56〜186.45m:2.89m厚
深度213.19〜217.87m:4.68m厚
深度249.05〜250.40m:1.35m厚
深度297.84〜300.64m:2.80m厚
一方,緑灰色の粘土層には藍鉄鉱を含むものがあり,淡水環境によって形成された粘土層であることがわかる。
写真2−7 砂 礫 層 [深度:204〜207m]
写真2−8 淡水性粘土層 [深度:141〜144m]
写真2−9 海成粘土層(Ma3)[深度:297〜300m]