2−5−2 山科測線

@基盤岩深度は測線の中央付近を最深部として両側にかけて浅くなる傾向にある。ただし、測線の東側に対しては緩やかに浅くなるが、測線の西端においては基盤岩上面に150〜200mの落差がある断層が推定され、地表地質より確認されている花山―勧修寺断層に対応する基盤岩落差と考えられる。

A探査断面においては反射面の連続が明瞭であり、大阪層群の海成粘土のような連続性のよい堆積層が分布する可能性が大きい。

BCMP150〜400にかけて基盤岩中にV字谷状の構造が見られる。この谷内部における地盤のP波速度は約2700m/secであり,京都盆地で見られる大阪層群に相当する堆積層よりもかなり速い速度を示す。これより、この構造は山科盆地の周辺山地に露出する丹波層群に相当する堆積岩の構造か、あるいは大阪層群より古く、丹波層群よりも新しい第三紀の地層が埋没した構造を示唆する可能性が考えられる。