9−4−4 観測記録

計算結果と比較して,地盤モデルの検証を行うための観測波形記録として,京都市消防局と京大大学防災研究所が設置した地震観測ネットワークによる加速度記録を用いた。

表9−1に観測点の一覧を,図9−18に観測点位置を示す。

1996年から2000年5月までに,55地震が観測されている。今回はこの中より,3次元モデル内に震源が置ける近地の地震として,次の2記録を検討の対象とした。図9−18にはこれらの震源位置も示した。

@ 2000年5月20日 震源位置:北緯34.9301,東経135.6264,大阪府北西部,

震源深さ:14.36km,マグチュード:3.9,

震源モデル:走向170度,傾斜33度,スベリ角71度

A 2000年5月21日 震源位置:北緯35.0380,東経135.8105,京都市北東部,

震源深さ:12.79km,マグチュード:4.0,

震源モデル:走向355度,傾斜56度,スベリ角121度

(各々の震源情報は京都大学防災研究所地震予知研究センターによる。)

@,Aとも表9−1の全観測点で記録が得られている。ただし,@の地震は地震の大きさがやや小さく,また京都盆地からやや離れているため,観測記録は全般に長周期のノイズが見られた。このため加速度波形を積分して得られる速度波形は,Aの各観測記録に比較して精度的な問題を若干含んでいる。