9−4−3 計算条件

@ 格子間隔:格子分散を防ぐために,対象とする最も短い波長の5分の1以下の格子間隔にする必要がある。格子間隔は計算モデルのS波速度最小値500m/sと最大周波数範囲1Hzから100mとした。ただし,岩盤内は岩盤内の速度に合わせてPitarkaのアルゴリズムに従い非一様グリッドを用いて拡大し,全体の総格子数をなるべく小さくするようにした。

A 時間ステップ:時間ステップは最も速い弾性波速度とΔt<0.495h/Vmaxの安定条件から格子間隔hを100m,Vmaxを5000m/sとして0.01秒とした。

B 震源時間関数:前項(8)式の震源時間関数は,図9−17のような形状を与えた。1Hz以上の波が存在すると誤差が大きくなるため,やや急峻なローパスフィルターをかけている。観測記録から推定される時間関数に比較すると周波数範囲が狭いものとなっている。

C 地震モーメント:図9−17(a)を時間軸上で積分すると滑らかな傾斜関数が得られる。この落差が地震モーメントM0に対応する。M0は次式を用いマグニチュードより推定した。

Log10M0=1.5M+16.2    (10)