なお,この3次元地質構造モデルからつぎの3次元物性値モデル作成のために引き渡した情報は,地表の標高と,ある座標の物質が基盤岩か堆積層か,また堆積層であればこれに加えて前述の方法で求めた堆積年代の推定値のみである。たとえば断層近傍の物性値の低下について定量的な整理が出来れば,断層との位置関係なども引き渡す重要な情報となるが,現在のところ残念ながらそのレベルではない。また基盤岩類の分類も出来なかった。これらは今後の課題である。
この3次元地質構造モデルは,現在得られている京都盆地に関する地質情報をもとに作成したが,情報密度が地域によって差があるため,モデルの精度も場所によって異なる。ここで,このモデルにおいて精度の劣る地域,あるいはこのモデルの問題点などについて列記する。