8−2−3 物理検層結果
KD−1孔,KD−2孔を利用して実施した高密度のPS検層および密度検層の結果,大阪層群を主とする堆積層と,丹波層群に属する基盤岩の物性値を明確にすることができた。検層結果を図8−5に示す。図に示されるように,堆積層では砂礫,砂,粘土ともにわずかではあるが深部ほどそれぞれの物性値は大きくなる傾向があり,物性値は深度すなわち堆積層の形成年代に比例して大きくなる。これに対して,基盤岩の物性値は深度との関係は明確でなく,データのばらつきは大きいが,むしろ破砕程度や亀裂の発達程度などのような岩質の状態と関係している。また,一般的に硬質とされるチャートは検層結果より,頁岩の硬質部に比べて各物性値ともに小さい値が得られている。KD−1孔においてはP波およびS波のVSP探査も実施した。VSP探査結果の速度分布を用いて堀川−巨椋池測線におけるP波反射法探査およびS波反射法探査結果の精度の向上を行ったが,検証の意味合いが強いため必ずしも必要ではないと考えられ,KD−2孔においては実施していない。