図６−１６（１）、図６−１７（１）に微動信号のパワースペクトルの一例として，Ａ−１１，Ａ−１３地点についてに示す。

観測された微動信号のパワースペクトルから以下のことが判る。

　・観測した微動信号は０．１４Ｈｚ（周期７秒）〜約７Ｈｚの周波数範囲のデータが得られた。

　・観測データのパワースペクトルは２×１０−４〜５×１０−２（×１０−６ｃｍ２／ｓ）の範囲に分布し，解析に十分なエネルギーがあると考えられる。

　・各アレイの同時観測した７観測要素点のパワースペクトルにおいて，アレイ半径の小さいＳ，Ｍアレイでは非常に揃っており，測定器が正常に作動していることが間接的に伺える。一方，アレイ半径の大きいＬ，ＸＬアレイでは０．３Ｈｚ〜１Ｈｚ付近でややばらつきがみられ，地下構造の横方向の変化やそれぞれの観測要素点周辺の環境に起因するノイズ等の影響を受けていることが推察され，ややＳ／Ｎ比の劣る観測データと思われる。