(4)観測手順及び工程

観測は以下の手順で行った。図6−12に作業手順のフローを示す。

図6−12 作業手順のフロー

 ・計画図をもとに現地踏査を実施し,設置場所の確保の可能性や車両,工場振動,野外重機等の非定常ノイズ(以後「非定常ノイズ」という)源の有無等を確認し,現況の変化している箇所や設置不可能な箇所について再度調整を行った。

 ・観測点(地震計設置点)が私有地の場合は,所有者に許可を求め,公道を使用する場合は,予め道路を管轄する各警察署から道路使用許可を得た。

・観測は各点独立記録方式を採用し,地震計1台毎に記録器を設置して微動のデータを収録した。7箇所に設置する地震計は,同一方向(磁北方向)に合わせ,水平を調整した。また,地震計の水平を保ちつつ充分に地面と接するよう注意し,地表が柔らかい場合には木製または鉄製のスペーサーを使用した。 

 ・観測に先立ち,機器を近接設置して5分程度の微動観測を行うハドルテスト(キャリブレ−ション)を実施し,コヒ−レンス等を求めて使用機器の特性が揃っていることをチェックした。

 ・観測は基本として,非定常ノイズの少ない深夜(21:00〜翌7:00)に行った。

 ・観測時間は,基本的に120分間以上としたが,アレイサイズや現場状況によっては,長周期側の波(基盤の深度やS波速度を推定する際に必要である5〜7秒の波)ができるだけ多く含まれるように,すなわち解析品質を向上させることを目的として,小アレイのLアレイ,大アレイのMアレイ,XLアレイについては180分間以上の観測を行った。

 ・デ−タのサンプリング間隔は100Hz(10ms)とした。また,各地震計による微動観測開始時間の誤差は2.1ms以下とした。GPSの時刻更正は,必ず各観測開始直前に実施した。

 ・観測終了後デ−タを吸い上げ,波形のチェック,スペクトル分析等を行って,観測されたデ−タが解析に使用できないと判断した場合には,再度観測を実施した。

表6−8に観測日時の一覧表を示す。

表6−8 観測日時一覧表