波形処理のうち最も重要な処理は,パルスの短縮,短い周期の多重反射の除去,スペクトルの平滑化等を目的に実施するデコンボリュ−ションである。この処理を良好にするため,次の前処理を実施した。
・プレフィルタリング…再帰型のフィルタ−を用い,位相特性は次の位相補償で併せてミニマムフェ−ズに直した。
・位相補償…デコンボリュ−ションが有効に働くためには,トレ−スがミニマムフェ−ズ特性であることが条件の一つである。測定系でもっともこの条件を満たさない ものは,探鉱機のフィルタ−の位相特性である。これをミニマム位相特性に戻すフ ィルタ−を設計し,補償を行った。
・振幅補償…次の2段階に分けて実施した。
A.全トレースよりオフセット距離(発震点−受震点間距離)別に振幅の時間減衰特性を統計的に求め,この特性の逆数で振幅補償を行った。
B.次に各トレース別に,所望のゲ−ト幅で平均振幅の時間変化を求め,振幅補償を行った(AAC)。
Aデコンボリュ−ション
自己相関演算のゲ−ト長[丸太町測線 800msec,五条測線 600msec],フィルタ−長[丸太町測線 100msec,五条測線 80msec], ホワイトノイズ3%のタイム・バリアント型ホワイトニング・デコンボリュ−ションを用いた。