平成10〜12年度の調査結果を総合し、特にモデルを構成する各地層の物性値の検討を行う。
(2) 3次元地盤モデルの作成
平成10〜12年度の調査結果を総合し、基盤岩の形状のモデル化を実施する。
さらに堆積層の地層区分とそれに対応する物性値分布を、解析項目(1)の結果を用いて確定点で決定し、それ以外の点を補間・推定する。
補間・推定による3次元的な地質構造のモデル化にあたっては、活断層調査を含めた既存の地質学的資料を活用し、構造地質学・堆積学的に矛盾のないモデル化を行う。
(3) 3次元地盤モデルの検討
モデルの検討のうち、基盤深度の検討は観測重力分布と3次元重力分布の理論計算法を比較することで検討する。またP波速度・S波速度分布に対して、既存の強震観測データから得られるP波・S波の初動分布とモデルから3次元初動走時の理論計算法を用いて検討を行う。
(4) 3次元波動伝播シミュレーションによるモデルの評価
地震動波形に含まれる情報を用いて地盤モデルを検討するために3次元の波動伝播シミュレーションを実施する。シミュレーションは京都盆地における強震動観測網で観測された地震波形を対象として実施し、波形に含まれる地盤構造の影響を評価することにより、モデルの問題点・精度等を検討する。
(5) 総合解析・報告書作成
平成10年度〜平成12年度に至る調査結果を総括的に検討するとともに、問題点を抽出し、それに対する対応策を検討する。また得られた成果の利用に関する将来展望をも含めて報告書を作成する。