珪藻は水域の水温、塩分濃度、酸性度などの環境要因に対応した種類が、各々の環境許容範囲の中で生息している。抽出された珪藻化石を分析することによって堆積物生成当時の水域の環境を復元することができ、微化石総合分析では把握されない淡水成層の判定もできる。
分析処理方法の手順は、下記に示すとおりである。
・試料の乾燥と粉砕。
・15%過酸化水素水で分散・泥化。
・ピロリン酸ナトリウム処理・酸処理。
・抽出した珪藻化石をエンテランニュ−で封入、プレパラ−ト作成。
・ プレパラ−トを顕微鏡(400〜1000倍)で観察。
以下に示す珪藻化石の準定量的な産出頻度と海生種および淡水生種の量比を調べ、堆積環境の推定を行った。
−:全視野(18×18mm)にまったく存在しない
+:全視野中に1〜5殻程度見られる
++:全視野中に6〜50殻程度見られる
+++:各視野中に5〜10殻程度見られる
++++:各視野中に11殻以上見られる