5−1−1 調査方法

ワイヤライン工法は100m以上の長尺ボーリングで効果を発揮する工法である。大口径のワイヤラインロッドを用い、アウタチューブとインナチューブとからなるワイヤラインコアバーレルを使用する。アウタチューブはロッドからの駆動力が伝達される部分で、先端にビットを取り付け地盤を掘削する。採取されるコアはアウタチューブ内のインナチューブに収納され、所定の長さを掘進するとインナチューブを切り離し、ワイヤロープを用いてロッドの中を通して地上に回収する。この工法の利点は、コア回収のためのロッドの昇降作業が不要で、とくに深度が増加すると掘進能率が在来工法に比較して良くなることである。その反面、設備が大規模でランニングコストが大きい欠点を有している。

本調査では、PQ規格(外径122mm、内径85mm)のワイヤラインコアビットを使用した。使用した主な機材の配置図および一覧を図5−1に示す。

図5−1 ボーリング機材等一覧図

実際の作業では、掘削前の整地工事および仮設備工事に約10日間を要した。地表よりGL−30mまではノンコアビット(トリコンビット、φ216mm)で掘進し、GL−26mまでは脆弱であったため、孔壁の崩壊を防止するためφ152mmのケーシングを挿入した。

GL−26m以深はメタルクラウンビットを用いて掘進し、基盤岩に着岩した後のGL−225m以深は、ダイヤモンドビッドに交換して最終深度まで掘削を行った。

前述したように、表層部(0〜−30m)は副孔において掘削した。