解析には、反射法探査の表層静補正で用いたのと基本的には同一の、差分アイコナール法を用いた屈折波トモグラフィーを使用した。解析法の概要は以下のとおりである。
@解析断面上に格子状の適当な速度モデルを与え、初期モデルとする。
Aこのモデルをもとに、ある発震点と受震点の走時を差分アイコナール方程式を解いて求める。このときこのモデルでの発震点と受震点間の波線が決まる。
Bすべての発震点・受震点の組み合わせについて走時と波線を計算をする。
C計算された波線付近を、観測走時と計算走時のズレを補正するように速度分布を与え、モデルを修正する。
D修正されたモデルをもとにアイコナール方程式を解き、各走時を求め、A〜Cを繰り返す。
Eモデルの修正が収束するまで、上の計算を繰り返す。
図3−2に読みとった走時曲線と計算で求まった理論走時曲線を示す。