０ はじめに
平成７年兵庫県南部地震を契機に、硬質な岩盤からなる基盤とそれを覆う堆積層の構造と、地表面における強震動の特異な分布の関連性が注目されるようになった。京都市はこの問題に対する研究が急速に発展している現状を踏まえ、市街の大半が立地している京都盆地を対象に３ヵ年計画で地下の３次元的な地盤構造を解明し、さらに強震動予測を実施するためのモデルを作成することにした。計画初年度の平成１０年度には、盆地を南北方向に縦断する延長約２０ｋｍのＰ波地震探査を実施した。今年度の平成１１年度では盆地南部を東西に横断する１０．５ｋｍの測線においてＰ波地震探査を実施し、更に基盤岩に達するボーリング調査および各種の検層調査、微動アレー探査等を実施し、京都盆地の地下構造と地盤の物性値に関する資料を得た。本報告書は以上の調査に関するものである。この調査は科学技術庁の平成１１年度地震関係基礎調査交付金によって実施された。調査計画の立案および調査結果の検討等に関しては、学識経験者より構成される「京都盆地地下構造調査委員会」を組織し、委員会で随時討議を行って調査を遂行するための指針と技術的助言を得た。
京都盆地地下構造調査委員会
委員長 土岐憲三 京都大学大学院工学研究科 教授
副委員長 尾池和夫 京都大学大学院理学研究科 教授
入倉孝次郎 京都大学防災研究所 教授
岡田篤正 京都大学大学院理学研究科 教授
鈴木祥之 京都大学防災研究所 教授
竹村恵二 京都大学大学院理学研究科 助教授
堀家正則 大阪工業大学建築学科 助教授
横倉隆伸 通商産業省工業技術院地質調査所 主任研究官
事務局 京都市消防局防災対策室