7−2−4 重力異常の計算

図7−9に改良した基盤構造モデルによる重力異常計算結果を示す。これは、重力デ−タによるインバ−ジョンの第1段階の結果と考えられる。大きく見れば4章で示した重力異常実測値の傾向に対応する。図7−10に反射法地震探査測線に沿った実測と計算の重力異常の比較を示す。測線沿い10km付近の状況など幾つかの改善点は指摘し得るが、

盆地の幅が十数kmと狭く3次元的な検討が必要なことや重力デ−タの分布とブ−ゲ−異常図になお残るやや広域の傾向等を考えると、現時点でこれ以上の改良を施しても検証すべきターゲットが定まらない事態が予測されるため、今回の検討では図7−7を現時点のモデルとして留めるものとする。

参考文献

1)吉川宗治 ”地震地盤図のうち、地形分類図、地盤型区分図および危険地形の作成に関する調査研究” 1981 京都市防災会議

2)Gotze H.J. , Lahmeyer B. "Aplication of three−dimensinal interactive modeling in gravity and mgnetics" Geophysics 53 1096−1108 1988

図7−5 反射法地震探査測線に沿ったブ−ゲ−異常

図7−6 既存の提案をもとに作成した3次元基盤構造モデル(既往モデル)

図7−7 既存モデルと反射法地震探査結果の基盤形状比較

図7−8 反射法地震探査結果より既存モデルを修正して得た基盤構造モデル

コンター間隔20m、100m毎に太線

図7−9 モデル計算結果と残差重力実測値の比較

(1) モデル計算結果

(2) 残差重力実測値

コンター間隔は両者とも0.5mgal

モデル計算における基盤岩と堆積層の密度差は0.5g/cm3

図7−10 計算と実測と重力異常比較