表層基底層のP波速度は約1.4 km/sで、S波速度は0.45 km/sであった。一方、P波の表層速度は0.5 km/s、S波の表層速度は0.15 km/sであった。表層の厚さは、10 〜 20mの範囲であった。
多摩川低地には河床堆積物である沖積層(厚さ10m〜30m)が存在しており、本解析の表層厚の結果と調和的である。したがって本屈折波解析での「表層」とは、この沖積層に相当するといえる。
この結果は、表層第一層の厚さの変化および標高変化に対する走時変化の補正(表層静補正)のデータとして用いた。