図3−2−3−5−1、図3−2−3−5−2は、上述した足柄平野および相模川沿い地域で得られたP波速度とS波速度の関係を単純にクロスプロットした結果である。足柄平野については、P波速度とS波速度の間に比較的よい相関が見られることがわかる。一方、相模川沿いの地域については、上述の通り、微動アレイ探査結果の方がかなり浅めに推定されている地点があり、特に、地震基盤に相当するVs 3km/s層のばらつきが大きい。しかし、今回実施した6地点のデータについては、比較的相関がよいことがわかる。
これらの結果を横浜市、川崎市の調査で得られた関係図上に表現した結果が同図3−2−3−5−3である。ばらつきは多いものの、相模川沿いの地域の関係は、横浜、川崎市の東部地域に近い分布を示し、足柄平野は、それらに比べ、若干S波速度が大きめの傾向が見られる。
以上のように、P波速度とS波速度の関係には、地域による若干の違いは見られるが、県全域のS波速度をモデル化するために、先に選定した代表P波速度に対するS波速度として、図に示す値を最終的に採用することにした。
図3−2−3−1 足柄平野での屈折法A測線結果と既往微動アレイ探査結果の比較
図3−2−3−2 足柄平野での屈折法B測線結果と既往微動アレイ探査結果の比較
図3−2−3−3 県中央部でのP波速度構造と既往微動アレイ探査結果の比較
図3−2−3−4 県中部地域でのP波速度構造と今回の微動アレイ探査結果の比較
図3−2−3−5−1 足柄平野周辺でのP波速度とS波速度の関係
図3−2−3−5−2 県中部地域でのP波速度とS波速度の関係
図3−2−3−5−3 神奈川県全域でのP波速度とS波速度の関係