表2−6−2−1 逆解析に用いたモデル探索範囲(単独解析)
また、GAによる解析は、1世代のモデル数を100個、トータルの世代数を500世代に設定し、さらに同じ解析を10回繰り返した。解析は10個の結果から観測位相速度の近似誤差が最も小さい3つのモデルを地下構造の可能なモデルとして選出し、各地点の概略的な地下構造を把握した。
CHIGASAKI地点におけるGAによる解析の誤差収束過程を一例として図2−6−2−1に示す。図から分かるように、観測位相速度の近似誤差は始めの数10世代において急速に減少し、100世代以内で既に4%程度となっており、100世代以降においては近似誤差の変化は小さく、最後の200数世代では殆ど変化しない。このことはGAによるモデル探索は十分であることを示していると考えられる。
各地点の解析結果を図2−6−2−2−1、図2−6−2−2−2、図2−6−2−3−1、図2−6−2−3−2、図2−6−2−4−1、図2−6−2−4−2、図2−6−2−5−1、図2−6−2−5−2、図2−6−2−6−1、図2−6−2−6−2、図2−6−2−7−1、図2−6−2−7−2に示す。各図の上段は得られたモデルの理論位相速度と観測位相速度の比較で、下段は地下構造モデルである。また、各地点のモデル1の速度構造をまとめて表2−6−2−2に示す。
各図と表によると、単独解析により得られた各地点の概略的な地下構造は以下のような特徴が挙げられる
・調査地域にわたる速度構造は、速度値のばらつきがあるものの、速度構造の連続性が認められる。
・地震基盤に当たる最下層のS波速度は2.7km/s〜3.2km/s程度で、既存の他の探査結果(Vp≒4.8km/s)と比べ、やや高い速度値を示している。
図2−6−2−1 CHIGASAKI地点におけるGAによる逆解析の誤差収束過程
表2−6−2−2 単独解析で得られた各地点のS波速度構造一覧
図2−6−2−2−1 HADANO地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−2−2 単独解析によるHADANO地点のS波速度構造モデル
図2−6−2−3−1 NAKAI地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−3−2 単独解析によるNAKAI地点のS波速度構造モデル
図2−6−2−4−1 ATSUGI地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−4−2 単独解析によるATSUGI地点のS波速度構造モデル
図2−6−2−5−1 ISEHARA地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−5−2 単独解析によるISEHARA地点のS波速度構造モデル
図2−6−2−6−1 HIRATSUKA地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−6−2 単独解析によるHIRATSUKA地点のS波速度構造モデル
図2−6−2−7−1 CHIGASAKI地点の理論位相速度と観測位相速度
図2−6−2−7−2 単独解析によるCHIGASAKI地点のS波速度構造モデル