１−８−２　総合解析

平成１３年度に実施した足柄平野周辺での反射法（屈折法）地震探査データの解析を行い、同平野周辺の詳細なＰ波速度構造を推定した。本解析結果も含めて、神奈川県全域を対象に既往の調査研究成果をもとに３次元Ｐ波速度構造を作成した。今回実施した微動アレイ探査結果も含めて県内で実施された微動アレイ探査によるＳ波速度とＰ波速度の関係を解析し、その関係を求めた。また、密度についても平成１２年度の調査成果を生かし、Ｐ波速度との関係を求め、最終的に県全域のＰ波、Ｓ波、密度構造を与える３次元地下構造モデルを作成した。

作成した地下構造モデルの妥当性を評価するために、既往の屈折法地震探査上でのＰ波走時による検証と県内のＫ−ＮＥＴ観測データを利用した表面波のＨ／Ｖスペクトルによる検証とＳ波増幅率による検証を行った。Ｐ波走時についてはモデルによる計算値と観測値がほぼ一致し、モデルの妥当性が確認された。表面波のＨ／Ｖによる検証では、表面波の卓越する東部地域では一次ピークの一致が確認されたが、中西部地域では観測Ｈ／Ｖの一次ピークが明瞭でなく比較検討が困難であった。Ｓ波の増幅率については、既往の報告書の結果とも整合し、モデルの妥当性が確認された。

図１−３−１　調査地域

図１−４−１　調査全体の流れ