(1)新島・神津島近海の地震

観測波形と合成波形の振幅値を比較すると、県東部のいくつかの観測点において、EW成分の合成波形が観測波形よりも若干大きいものの、他の成分ではほぼ同じ大きさを示している。また、両波形を比較すると、以下に示すような特徴が認められる。

@ 両波形ともEW成分、次いでNS成分の振幅が大きい。UD成分の振幅は他の成分に比べてかなり小さい。最大速度分布でも同様の傾向が認められる。

A 卓越振動方向であるEW成分において、両波形ともに県東部では振幅が大きいが、県中西部では急激に小さくなる。この現象は最大速度分布においても顕著に認められる。

B 県東部では振幅が大きいとともに、周期8〜10s程度のやや長周期の波群が卓越し、振動継続時間が長いが、この傾向が両波形に顕著に現れている。

C 最大速度値は、横浜市の南西部から川崎市中央部に抜けるほぼ南北の方向で大きく、9.2節で検討した最大加速度分布と同様の傾向を示している。