用いた地震は、表9−1−2に示す地震のうち、2次元あるいは3次元的な地下構造の影響が小さいと考えられる震源が深い東京湾北部(1997/09/08)、千葉県南部(1998/05/16)、東京湾(1998/08/29)、千葉県中部(1999/09/13)、千葉県北東部(2000/06/03)の5地震である。また、検証の対象とした地点は、県内広域に分布し浅部構造が得られているK−NET観測点14地点とした。これらの地点で得られた各地震の水平動成分について、ほぼ鉛直下方から到達していると考えられるS波主要動部分を含む約40秒間の記録のフーリエスペクトル(水平2成分合成)とその地点の地下構造モデルによるS波増幅率を比較し検証を行った。また、5地震のうち比較的振幅の大きい東京湾と千葉県北東部の2地震について、S波主要動部分に対して、地盤の周波数応答関数による1次元地震動シミュレーションによる検討を行った。