9−1−1 地下構造モデルの作成
検討対象地点の地下構造モデルは、浅部については防災科学技術研究所により強震データと共に公表されている土質データ(深度、P波・S波速度、密度)による速度構造とした。基盤深度等の深部構造は、第7章で得られた第3層(Vp2.8〜3.1km/s層)上面深度、第4層(基盤層)上面深度、速度分布より、層境界深度は求められている格子点の深度から補間により求め、S波速度は、基盤層については速度分布からVp4.8〜5.5km/sに対してVs2.7〜3.0km/sの範囲で、Vp2.8〜3.1km/s層に対してVs1.5km/sとそれぞれ仮定した。また、中間のVp2.0〜2.3km/s層とVp1.5〜1.9km/s層のS波速度は、それぞれ1.0〜1.1km/sと0.6〜0.7km/sとした。この2層の境界は一部K−NETの土質データで得られており、他は近くの屈折法探査測線の構造から100〜500m程度の範囲で仮定した。このようにして作成した地下構造モデル(S波速度構造)を図9−1−3−1、図9−1−3−2、図9−1−3−3に示す。