8−2−2 適正な地下構造調査手法の提案

現在実施されている各種探査手法の特徴を整理し、図8−2−3に3次元地下構造モデルの作成の流れを示した。以下では、調査地域の特性として、広さ・深さ(基盤)・複雑さ(基盤の段差構造・盆状構造、堆積層中の撓曲・断層など)を考慮して、一般的な調査手法(各種探査手法の組み合わせ)を考える。

表8−1−1には各種探査手法の特徴をまとめてある。

既存資料及び調査地域の大局的な地質構造発達史から、基盤及び堆積層が複雑でないと予想される場合は、概査に相当する探査(重力探査、屈折法地震探査、微動アレー探査など)を実施する。また、深部ボーリング資料がない場合には、必ず1本以上の深部ボーリング調査を実施する。

基盤及び堆積層が複雑であると予想される場合は、概査及び精査を実施する。精査時には伏在の断層がないか等を考慮して測線設定を行う。また、複数の深部ボーリングが必要である。

調査地域が広く、基盤が深い場合には、既存データと概査結果を充分に検討して、精査測線、深部ボーリング位置を決定する。

表8−2−3に、調査地域の特性と各種探査手法の組み合わせを示す。通常、堆積平野は広くなれば、深くなると考えられるので、広い・深いと狭い・浅いの組み合わせを考慮した。また、調査地域における地質構造の複雑さなどを検討して、探査手法・測定地点(測線)の選定を行ってゆくことが望ましい。

表8−2−3 地下構造調査手法の提案