7−2−2 フィルタ処理

ブーゲー異常図には、地下のあらゆる深度の密度分布に関する情報が重なり合って表されている。これらの情報の中から、目的とする情報のみを抽出するために、フィルタ処理を行う。フィルタ処理では、深い所から浅い所の構造による重力異常を含んでいるものに対して、周波数の違いに着目して、深部構造による広域的トレンドと浅部構造によるローカルな異常を分離し、目的とする構造に起因する重力異常を抽出する。

地下深部の構造に起因する長波長の重力異常(傾向面あるいは重力トレンドという)を抽出・分離するために、上方接続フィルタを用いた(駒澤, 1984; 駒澤・長谷川, 1988)。駒澤・長谷川(1988)によれば、関東地方における先第三系基盤の深度は、深い所でも2〜3kmと考えられていることから、上方接続フィルタの接続距離を5kmとした。また、ノイズ除去のために、接続距離0.25kmの上方接続フィルタを用いた。

図7−9に示したブーゲー異常に対する上方接続図を図7−10に、上方接続値から上方接続値を除去した残差重力値 式7−2−2図7−11に示す。