横浜市ではこのネットワークによる観測データを地下構造の解析に利用している。平成10〜12年度に強震計ネットワークで観測された比較的大きな(震度2〜3以上)28地震のP波・S波初動データを用いて3次元P波速度構造及びS波速度構造を求めている。解析に際しては、原走時から観測点直下(深度10km程度)までの震源距離を補正した走時差(走時遅れ)を3次元逆解析のデータとしている。また、初期モデルは、既往の屈折法地震探査や反射法地震探査などで得られた結果及び山田・山中(2000)による関東平野南部の広域モデルをベースにして作成している。また、横浜市で震度3を記録した神奈川県西部の地震(1999/05/22、M4.4)について、各観測点の地震の揺れ(加速度スペクトル)を周期帯域毎に見ることにより、地下深部構造との関係を議論している。
図4−5−2に逆解析より求められた結果図を示す。