表4−3−1 神奈川県内で実施された反射法地震探査
図4−3−2には上記測線のうち地下構造解析で参照した測線を示す。
以下では、横浜市及び川崎市により神奈川県東部で実施された反射法地震探査の結果(横浜市:2001、川崎市:2001)を整理した。図4−3−3は解析結果によりまとめられた深度断面である。基盤上位の堆積層は、三浦層群と上総層群に分けられる。この境界は、横浜観測井の層序において認められた境界(黒滝不整合;約300万年前)に相当する反射波系列を追跡することにより決定されている。
反射記録の特徴は、上総層群(後期鮮新統〜前期更新統)はシャープで強い反射波系列が多く認められる。これに対し、三浦層群(中期中新統〜前期鮮新統)は全体に反射面の数が少なく、振幅が弱いため顕著な反射面が少ない。
反射波系列の速度解析から求められた区間速度により、各層群のP波速度は以下のように推定されている。
上総層群 ―――――― 1.8〜2.5 km/s
三浦層群上部 ―――――― 2.7〜3.5 km/s
三浦層群下部 ―――――― 約3.5 km/s
また、各層内の速度構造は、深度に沿って速度が徐々に増加する単調増加型である。図4−3−4に速度解析で得られた区間速度の深度分布例を示す。