4−2−2 神奈川県及びその周辺地域

神奈川県内においては、夢の島人工地震実験及び川崎市・横浜市・神奈川県・東京工業大学・防災科学技術研究所が実施した発破実験データが多数ある。図4−2−2は神奈川県における発破点・観測点の位置をまとめたものである。この他に、足柄平野で実施されたデータもある。しかしながら、神奈川県においては、中部から東部にかけてのデータが多く、西部では相対的に少ない。

これらのデータは、小林・他(1985)、山中・他(1986,1988,1991)、鈴木・他(1993)及び嶋(1998,1999)により、2次元解析が行われており、図4−2−3図4−2−4図4−2−5図4−2−6図4−2−7図4−2−8図4−2−9図4−2−10に示す2次元速度構造断面が求められている。各断面から神奈川県内におけるP波速度は、概ね

第1層  1.7〜1.8 km/s

第2層  1.9〜2.3 km/s

第3層  2.7〜3.2 km/s

第4層  4.7〜4.8 km/s

第5層  5.4〜5.5 km/s

である。各断面における層区分は、必ずしも上記のようにはなっていない(3層構造の場合もある)。基盤層は、第4層及び第5層が相当する。第4層の存在は山中・他(1986)により指摘された速度層で、従来考えられていた5.5km/s層よりもやや遅いが、基盤層に相当すると考えられている。

三浦半島においては、2.3〜2.4km/s層の下位に3.6km/s層が検出されており、上記の速度層区分とはやや異なる速度層を有する。