4−2−1 関東平野

関東平野においては、資源調査の目的で古くから屈折法地震探査が実施されている。また、地下構造調査の目的で実施されたのは、爆破地震動研究グループ(1958)による関東平野北縁部の実験である。

東京都と首都圏基盤構造研究グループによる夢の島人工地震の観測は、1975年から開始された。この実験は1988年まで2回/年の割合で繰り返された。その間には、逆発破に相当する発破実験が、地震研究所、東京工業大学、地質調査所、川崎市、横浜市、神奈川県により実施されてきた。その後、被害想定の一環として、埼玉県、千葉県等で発破実験が実施されている。また、防災科学技術研究所により、港北ニュータウンから三浦半島にかけても測線が設けられ発破実験が実施されている(鈴木・他,1993)。

夢の島人工地震の結果は、「夢の島人工地震実験資料集」(首都圏基盤構造研究グループ,1989)として、観測点の走時データ及び波形データが整理されている。図4−2−1−1は夢の島人工地震やその他の発破実験で実施された屈折法地震探査の発破点と観測点の位置を示したものである。図4−2−1−2は、これらの発破点・観測点の走時データのインバージョンにより得られた基盤上面の深度分布を示したものである(纐纈,1995)。