3−3−2 活構造

図3−3−5は垣見・他(1982)による関東地方のネオテクトニクス図である。この図から特徴をあげると次のとおりである。

(1)関東山地東縁部に分布する活断層は、北西−南東の走向をもち、多くの場合北東側が隆起している。また、その位置は地形的境界、地質境界に相当し、地溝状の構造を示す場合もある。

(2)横ずれを示す断層の変位は桂川を境に北側では北東走向をもつ断層は右ずれであるが、道志川以南においては左ずれとなる。これは、第四紀における地殻応力の違いを反映している。

(3)丹沢南部から大磯丘陵、三浦半島に分布する活断層は、北西−南東ないし東西方向の走向を示す。これは、相模湾内に分布する相模湾断層と密接に関連しているためと考えられている。主な断層は右ずれの逆断層で、活動度もA級に分類されている。

(4)活褶曲は、相模原台地の茅ヶ崎と綾瀬の間において北から向斜構造、背斜構造が認められている。その方向は三浦半島の活断層とほぼ同じで東西を示している。