11−2−2 県中部から西部地域における調査

@神縄・国府津−松田断層帯および足柄平野を対象地域とした反射法地震探査

神縄・国府津−松田断層帯については、足柄平野を対象地域とした反射法地震探査を実施する。

A相模平野および足柄平野を対象地域とした屈折法地震探査相模平野および足柄平野における広域的な速度構造の把握を目的として、屈折法地震探査を実施する。

B堆積平野と山地の境界部

強震動予測に重要と考えられる山地のエッジ部における地下構造の把握を目的として、反射法地震探査を実施する。

C微動アレー探査

3次元的なS波速度構造の把握を目的として、微動アレー探査を実施する。

この他の調査計画として、神奈川県内に設置されている強震計で記録された強震記録を解析することにより、振動特性について調査することが考えられる。ただし、横浜市については高密度に配置された観測点があるものの、その他の地域については観測点密度が十分とは言えないのが現状である。

 第9章の強震記録解析で見たように、神奈川県中部から西部にかけた地域の方が、基盤深度が深い県東部よりも振動特性が複雑な傾向にある。これは、県中西部において基盤深度が浅いとともに、3次元的な地下構造の変化が大きいことに起因するものと考えられる。しかし、現状では、複雑な振動特性を示す県中西部における強震観測点密度が低い状況にある。

 また、横浜市北西部における段差構造についても、その存在がどの程度強震動に影響を与えるかを定量的に検討することが必要である。横浜市内においては強震観測点が多くあるものの、東京都側については利用できる観測点が少ない。今後、臨時観測点を配置する等の方策をとり、強震観測を実施することが望まれる。