2−3−1 探査仕様

屈折法地震探査は、地層が何層かにわたる成層構造をなしていると考えられる場合に、それぞれの地層境界付近を伝播する屈折波の初動を解析して、各層の速度を求める手法である。新第三系の地層の速度は、反射法地震探査の速度解析により推定することができるため、ここでの主な対象は先新第三系の基盤岩の速度である。

屈折法地震探査は、P波反射法地震探査と同じ受振測線で実施した。

発震点は、バイブロサイスによる測線中間の2ヶ所(V7、V8)と、エアガンによる測線端付近の2ヶ所(G1、G2)である。このほかに、東京大学によるダイナマイト発破を屈折のデータに加えて用いた。

調査に先立って決定した屈折法の発震点は以下の5点である。

表6

震源として大型のバイブロサイス4台(図2−2−4参照)またはエアガンの多重発震を用いた。東京大学のダイナマイトは100kgである。反射法のほぼ全受振点である陸域977点、海域99点の計1076チャネルの展開を用いて2台のGDAPS−4A型探鉱機でデータを取得した(図2−2−3 参照)。

本調査の測定仕様はつぎのとおりである。仕様一覧は表2−2−1 にも示した。

[P波屈折法地震探査]

<発震系>

(1)震源: バイブロサイス 4台

スイープ周波数: 6〜40 Hz

スイープ数/発震点: 100回

発震点数: 2点

(2)震源: エアガン

容量: 1500 cu.in.

圧力: 2000 psi

スタック数: 48(G1)、64(G2)

発震点数: 2点

<受振系>

(1)受振器: SM−7(10 Hz)

受振器個数/受振点: 9個

受振点間隔: 25m

受振点数: 977点

(2)受振器: ハイドロフォン、ジンバルフォン

受振器個数/受振点: 1個

受振点間隔: 25m

受振点数: 165点

総受振点数: 1142点

受振器総展開長(概算): 28.5 km

<記録系>

探鉱機: GDAPS−4A 一式

サンプル間隔: 4 ミリ秒

記録長: 20秒

チャネル数: 1142チャンネル

展開: 固定展開

受振記録については、上記仕様に加えて、本調査測線東側の千葉大学と東京大学による調査測線(360点)でもデータが取得されている。