(1)データ取得作業

P波反射法の測線では都市部であるため道路は舗装されており、受振器は極力植込みや道路横の露出地面に設置したが、利用できない場合はアスファルト上にアルミ製受振器スタンドを使用して設置した。受振点位置が交差点や三叉路の中にあたる場合は、正規間隔で設置せず受振点位置を近くの歩道側にずらした。また、交差点・三叉路付近、停留所・商店出入り口等で歩行の邪魔となるところでは、受振器を固めて隣接して設置する「バンチング」を併用した。

調査測線と交差する道路が多数あり、特に交通量の多い幹線道路での本線ケーブルの道路横断には、信号柱を用い高架渡しを行った。高架渡しを行ったのは、測線全域の計28ヶ所にのぼる。このほかの交差点では、道路地下の水路等を通すか、ケーブルをゴム製のカバーで覆って道路面を横断した。

発震作業に当たっては、発震点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜

・スイープ数

・出力レベル

・バイブレータ車の台数および種類

の調整等を行った。

原則として3台稼働、20回スタック/点を基準としたが、各発震点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発震出力についても状況に応じ、最大出力の30〜90%に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数およびバイブレータ発震出力を上げ記録質向上に努めた。市川市の館山自動車道沿いの夜間発震では4台稼働として記録の向上をはかった。

現地調査の作業状況については、付録1の現場写真を参照。

図2−2−6−1図2−2−6−2図2−2−6−3図2−2−6−4図2−2−6−5図2−2−6−6図2−2−6−7にP波反射法の現場記録例を示した。各図は、1発震点に対して、地表の300受振点で観測した記録であり、横軸は受振点の番号、縦軸は時間となっている。参考のために各図の上部に測線図も同時に添付した。

屈折波初動も明瞭であり、概ね良好な記録が取得されている。

反射法データ取得作業の結果、次のものが得られた。

(1)現場磁気テープ(3490E CARTRIDGE TAPE., SEGYフォーマット) 4巻

(2)同上データシート(Observers Report     1式

(3)現場モニター記録                1式

(4)発震点・受振点座標/標高値         1式

上記(2)のデータシートは、付録2に添付した。