(4)キャリブレーション
微動アレー測定によって表面波位相速度を得るためのは、使用する全ての地震計と付属の電気回路の特性が均一である必要がある。このため、本観測では、アレー観測日には必ず、毎朝キャリブレーション・テスト(比較検定)を行い、装置ごとの特性の誤差が許容範囲内であるかどうか確認を行った。図2−4−8に、キャリブレーション作業写真(地震計、周期伸ばし回路、データロガーを使用)を示す。図2−4−9に、キャリブレーション結果の例を示す。図2−4−9−1には約82秒間の微動波形、図2−4−9−2に(1)の微動波形から計算したパワースペクトル、コヒーレンス、パワー比および位相差を示す。ただし、コヒーレンス、パワー比、位相差はSt.1の波形データを基準とした。これらの図より、主に0.1Hz以下の長周期と10Hz以上の高周波数で各地震計の特性にわずかにばらつきがあることが解る。(ただし、これは装置の誤差では無く、微動パワーが極めて低いための測定誤差である可能性もある。)本微動調査で必要な周波数範囲は約0.1〜5Hzであり、この周波数範囲では問題はない。