(2)微動アレー調査における最近の適用例
微動探査法は、従来は地下深部構造の研究などの学術目的が主で、応用地質調査分野において適用されることは少なかった。しかし、平成7年に発生した阪神淡路大震災を機に都市部における地震防災が叫ばれるようになり、地震防災に直結する地震応答解析のパラメータとなる地下数千mまでのS波速度が求まる微動アレー調査が注目され適用されてきた。さらに、微動アレー調査は、観測機材がコンパクトで機能性が良いことから観測作業の制約を受けやすい市街地でも容易に実施できる点、震源は自然発生の波動を利用していることから環境に全く影響を与えることなく実施できる点が評価され、地質調査手法の1つとして適用される機会が増えてきた。最近の適用分野としては、・活断層調査
・堆積盆地の地下構造調査
・橋梁の支持基盤調査
・トンネル調査
等が挙げられる。