3−6−2 [速度構造について]

・基盤のP波速度は5.2〜5.7km/sで、その上の三浦層群のP波速度は2.5〜3.0km/s程度である。S波速度は基盤で約3km/s、三浦層群で1.2〜1.6km/sと推定される。基盤とその上の堆積層の速度コントラストは大きく、基盤深度が地震動予測の大きな要因となる。

・基盤上面までの堆積層中のP波速度およびS波速度は、場所ごとに若干のばらつきはあるが、およそ深度に伴って増加している。三浦層群と上総層群の境界、上総層群と下総層群の境界にも速度コントラストは見られるが、基盤上面のコントラスト程ではない。ただし、地震動予測に関しては重要である。

・3年間の調査で、深度およそ100〜200mより深い部分のP波およびS波速度構造が求められた。これより浅い部分については、場所ごとの速度のばらつきが多いと考えられ、正確な地震動予測のためには、今後浅層部分についての調査が必要である。