3−6−1 [地下構造について]

・基盤から地表まで連続する断層は確認できなかった。

・東京湾内で確認された東京湾北部断層は、変位のある断層としては調査地域南東部では確認されなかった。調査地よりさらに南側、浦安市舞浜の南沖に延長している可能性はある。

・先新第三系基盤の上面は、千葉県西部地域ではおおむね南西方向に緩やかに傾斜しており、急激な変化は見られない。基盤構造によって地震の際に波が集中することはないと言える。

・南西部(市川−浦安市付近)では基盤深度は2500mより深くなり、細かい凹凸が目立つようになる。これは、過去の地質変動によると考えられるが、変動による地層の変位は、三浦層群および上総層群の下位に限られる。

・三浦層群相当層は、基盤の上に層厚最大300m程度でほぼ一様の厚さで堆積している。調査地域の北東方方向では薄くなり、東部の印西市付近では消滅している。

・上総層群相当層と下総層群相当層の境界は、船橋市付近が周囲に比べて深まっており、南西部の浦安市側で浅くなっている。ただし、その高低差は最大250m程度であり、地震波の集中が問題となる構造ではない。