・地下構造のうちS波速度の構造を把握できる
・自然に発生する微動を利用するので、人工震源の必要が無く、騒音も発生させない
・人口や建物が密集している市街地においても調査可能である
・調査地点を広範囲に分布させることが可能であり、面的な配置ができる
・観測システムが比較的単純であり、機器の操作が行いやすい
・調査費用が安価である
などが挙げられる。また、短所については、
・鉄道、道路、工場などノイズが多く発生する地域において、観測時に非定常なノイズが混入し、解析作業が困難となる場合がある
・位相速度の解析においては、原理的に水平多層構造を仮定しているため、その結果は観測地の中心点で近似させた構造の把握となる
・対象深度とほぼ同じ程度のアレー半径を設定し観測する必要があり、求められた結果はアレー半径内の平均値となる。
・1つの微動アレーの調査地点の結果からは、1地点の地下構造の情報しか得られず、面的な情報(連続した地下構造の追跡結果)を得るためには、多数の調査地点が必要となる
・fGAによる逆解析において、フリー解析の場合でも構造モデルの層数、探索範囲(深度およびS波速度)などの必要最低限の拘束条件が必要であり、ある種の拘束条件を付加しない限り、一意的なモデルを確定させることは難しい
などが挙げられる。
図3−28に千葉県での微動アレー調査の流れを計画・準備、現地調査、位相速度解析および逆解析についてまとめた結果を示す。